初心者のためのディスカス繁殖講座

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神秘的なディスカスの子育てを体験しませんか。
病気・怯え

穴あき病

ディスカスという魚が人気のある理由のひとつとして、人間に似た様々な手間がかかるということが挙げられます。
昨日まで元気だったのに急に元気がなくなったり、強い魚が弱い魚をいじめて怯えが発生したり、なかなか面倒見のある魚だと言えます。

病気についての具体的な処方は、難しくて管理人は詳しく知れえません。しかし、ほとんど病気らしい病気をせずに成功したディスカス繁殖の経験から、その観察の方法、大まかな考え方を述べたいと思います。

初心者でもできる簡単な診断

ディスカスの調子がちょっと悪くなってきたと思ったとき、まず最初にチェックする方法を述べます。完全に症状が出る前にこれらの様子を観察して、早めに対処することで、治る可能性が高くなります。

  • 呼吸の速さ
    ディスカスの調子が悪くなると、呼吸の早さが通常よりも速くなる傾向があります。もちろん活発に泳いだり、エサを食べているときも速くなりますので、安静時の呼吸の速さで比較します。
  • 糞の色
    健康なときは黒く、太い糞をします。調子が悪くなると、白かったり、細かったりします。
  • ヒレのきれいさ
    ヒレが切れたりしても健康なディスカスはすぐにピンとしたヒレに戻ります。切れたひれが戻らず、ますます切れた部分が多くなっている場合は、調子が悪いようです。
  • お腹の膨らみ、食欲
    食欲があり、たくさんエサを食べているディスカスは真正面から見るとお腹の部分が健康的にぷっくりと膨らんでいます。食欲が減り、お腹の膨らみが小さくなっている場合は調子が良くなくなってきているようです。


ヒレピン、食欲旺盛でぷっくらお腹が膨らんだディスカスの若魚たち

上記の症状は、あくまでも初期の症状の判断であり、この症状がでたからといって、病気になっているわけではありません。しかし、元気ハツラツではない前兆であり、いつもの観察の目安になります。
また、調子が悪いときは体が黒くなることが多くなりますが、健康なときにも黒くなるときがありますので、一概には言えません。上記の方法で観察することが適切です。

病気になったときの考え方

かわいく育てているディスカスの調子が悪くなったときは、その症状が深刻になる前にすぐに対策を打つことが大切です。
ただしその対策はすぐに薬を使う等ではなく、まず飼育環境の改善から始めます。

  • 水質
    ディスカスがイマイチ元気がなくなってきたと感じたときは、まず水質について疑います。使用しているろ過器が適切な飼育水を作り出しているかなど。
    管理人が経験したことですが、外部ろ過器でいくら水をきれいにしてもディスカスの調子が戻らなかったときがありました。そのときは、タンクインタンクフィルターに変えたあと、ディスカスの調子が回復した経験があります。詳しいことは分かりませんが、水槽内のろ過バクテリアのバランスとか、通常ではわからない水質環境の悪化があったのだと考えています。
  • 高温飼育、塩浴
    ディスカスの調子がやや悪化したときに有効です。
    高温で飼育することはディスカスの食欲などが増し、体調を回復することに有効な様です。また、適切な塩浴も水槽内のろ過バクテリアを殺すことなく、ディスカスへの回復力を高めると思います。
  • 薬浴
    上記のような対策を講じても回復しない場合は、直ちに適切な薬による治療を施しましょう。
    ただし薬浴しなければ、回復しないような症状まで行ってしまった場合、完全に治癒することは簡単ではないと思われます。如何に日頃こまめに面倒を見ることにより、水質の改善や高温飼育等の簡単な処置で、すぐに回復するような元気な状態を維持することが大切と言えます。

怯え

人間と同じく、ディスカスは3匹以上いると派閥ができるようです。そのときにこれまた人間と同じく「いじめ」という行動がおきて、いじめられたディスカスに怯えという餌を食べずに水槽の端にずっといる困った行動がおきます。一度怯えの症状が出ると、それを回復することは簡単ではありません。いじめられるという経験はディスカスにとってかなりのトラウマとして残るようで、いじめの行動が見られたら即座に対応を行います。

  • いじめられっ子を別の水槽に移す。
    一匹のみ小さな水槽に移します。通常ディスカスは一匹で飼育すると、より怯えるようになり、好ましいことではありません。しかし、強い魚に日々いじめられ続けるより、マシのようです。小さな水槽で一匹にしても、最初は端で怯え続けますが、いじめっ子がいないことが分かり出す数日後に少しずつ冷静になり、水槽内を泳ぎだします。そのとき、少しずつ餌を与え回復させます。
    もし幼魚たちの水槽があったら、その水槽に移します。
  • いじめっ子を別の水槽に移す。
    今度は強い方の魚を小さな水槽に移す方法です。一匹だけ極端に強い場合などに有効です。しかしこの方法は、序列二位の強い魚が新しいいじめっ子になりやすい。この場合は、この魚も小さな水槽に移してしまいます。

個体数が多い場合はいじめは起きませんので、稚魚や幼魚の水槽ではまず起きません。個体数を増やせばいじめは無くなりやすいのですが、簡単なディスカス繁殖法ではなるべく少ない成魚数で飼育する必要がありますので、個体数に頼らない怯えへの対策が必要です