ディスカスのオスとメスの見分け方は、専門家でも難しいと言われています。
最初からペアとなるような理想的なオスとメスを入手することはとても難しく、入手できたとしても価格も相当高いものとなるでしょう。
したがって、理想のオスとメスを取得するために、ちょっと遠回りかもしれませんが、以下のような方法を取ります。
ペアリング成功後は、少ない水槽ではそれ以外の個体は育てる場所の確保に困ります。如何に少ない個体の購入で理想のペアを取得するかが大切です。
飼育しているディスカスの中で、ペアが出来たら小さい水槽に移します。大体、夕方頃にガラス表面や産卵搭に産卵します。後々の世話も考えて、産卵搭に産ませた方がよいです。(写真は、ろ過用の小型水槽の表面に産み付けてしまったものです)
また、水中ポンプと小型水槽、粒状化底床用濾材を用いたろ過を行っている場合は、スポンジフィルターに交換するか、袋状の布で被います。
(濾過材を入れる布袋を使用して被ったタンクインタンクフィルター)
産卵後は、餌の量を僅かにして水質の悪化を防ぎます。そして、孵化までの間は水換えを控えます。餌もほとんど与えません。また、小さな照明をつけて夜間も暗くならないようにします。
産卵後の最も大切なことは、食卵を防ぐことです。若い親の最初の頃の食卵は仕方ありませんが、何度産卵しても食卵してしまう場合は、周りを静かにしてストレスを与えないように、小さな照明をつけながら、水槽の回りをぐるっと黒いタオルで囲ってしまいます。この方法は食卵防止に効果大です。
最初は特に若いペアは、何度も食卵してしまいますが、気長に待ち続けます。
(管理人愛用のYAZAWAタオル(笑)
また、どうしても食卵を防げない場合は、ネット君という網を使ってみるのもよいでしょう。ただ、管理人が使ったときは、これを使っても孵化後に稚魚を食べてしまいました。結局、このようなものがなくても卵や稚魚を食べないまで、ペアの成熟を待つ以外ないようです。
ペアが慣れてきたら、ついに食卵せずに孵化を迎えます。このとき、稚魚を食べないよう周りをタオル等で囲って安静な環境にします。夜の小さな照明もつけ続けて下さい。産卵搭に付着して、一生懸命しっぽを振っている稚魚を親魚が暖かく見守っています。
どうしても水槽の中を見たくなりますが、見るのはゆっくりタオルの隙間から最小限にしてあげます。
親魚への餌の量もほんの僅かにします。
親が仔を食べずに2週間以上経つと、もうあまり神経質にならなくても大丈夫です。この体着がディスカス繁殖における最も神秘的でほほえましく、感動的な光景です。家族で一緒に、リビングでこの光景を観察することができる、すばらしい体験となるでしょう。
親魚と仔達が一緒に気持ちよく泳いでいるのであれば、刺激を与えないように注意しながら、水換えなども少しずつ普通に戻してもかまいません。
また、親魚への餌も通常のディスカスハンバーグの量に戻します。親魚は、体着する仔を交代で見守りながら餌を食べようになります。
オス親とメス親で仔を取り合い喧嘩するようになったら、子育ての上手そうな方の親魚を残し、もうひとつの親のみ別水槽に離します。
稚魚には、冷凍の稚魚用ブラインシュリンプを水で溶かしたものを、スポイトでやさしく吹き付けるようにしてやります。最初は食べる気配がありませんが、辛抱強くあげてください。そのうち、食べるようになります。
体着後3週間以上がすぎて、段々親魚が子供を嫌がっている感じになったら、別の水槽に親魚を移し、親離れを行います。
この頃の稚魚は大変な食欲です。簡単な繁殖法では、このときに与える餌は冷凍の稚魚用のブラインシュリンプ(キョーリン クリーンベビーブラインシュリンプ
など)を与え、少し大きくなったら、通常の大きさの冷凍ブラインシュリンプを与えます。出来れば、2時間置き位に与えたいところですが、仕事のある平日は、朝、帰宅後の夕方、そして、寝るまでに2回ほどの計4回与えればよいでしょう。
専門書などには、卵から孵化したブラインシュリンプを与えることをすすめる内容もありますが、冷凍品でも十分に成長します。